紀伊半島南部に伝わる祭りと獅子舞についての一考察...
逐次、記事追加更新中!
 
 
■獅子舞は、本来「獅子(ライオン)」の居ないアジアで、麒麟と同様に想像の生き物として、神秘的なイメージからか宗教的な場に登場する事になったのでしょう。中国で獅子舞として舞が確立され、仏教などと一緒に日本に渡来したことは紛れもない事実で、全国でその数は減ってきたとは言え、数百にも達すると思われます。ここ南紀地方も、それぞれの祭りの起源、由来、祭神は違いますが、約200年前頃に古座から伝えられたと言われる獅子舞が継承され、今も奉納されています。ここでは紀伊半島南部、特に古座町を中心として、串本、潮岬、出雲、有田、紀伊大島、古座、古座川、紀伊田原、下里地区、那智勝浦、新宮、遠くは田辺、中辺路方面に伝わる獅子舞と、それぞれの祭りについて紹介し、インターネット、歴史的文献、地元資料等をもとにした個人的一考察を掲載します。

■本ページの記事に付きましては、個人的考察であり、これが正しいと言った記事ではありません。
文中において、誤った記載、歴史的史実、不適切な表現等がございましたら、ご指摘下さい。場合によっては内容、表現等を訂正いたします。
※祭、獅子舞などの由緒、由来、言い伝えなどは、地元の主張を全面的に参考にしての記載となっています。


 
日本全国の獅子神楽(獅子舞)

中国が現在の獅子舞の起源?
日本の獅子舞がいつの時代から始まったかは、よく分からないようですが、中国大陸からの外来系と日本固有の二つの系統があったようです。
「日本書紀」によると、西暦612年、中国の伎楽が伝えられ、このとき、初めて中国の獅子舞が日本に伝えられた事になるそうです。
その他、古くから日本固有の「鹿」「猪」「熊」などを被り舞った獅子舞も別の存在し、この二つが時代を経て、お互いに影響しあい変化して現在に伝わっていると言う事だそうです。
※鳥取大学名誉教授、野津龍先生著、「日本の獅子舞」を参考にさせて頂きました。
野津先生は、「隠岐の伝説」「因幡の獅子舞研究」など、沢山の著書を出されており、新聞に「日本の獅子舞」1年間50回を連載、現在も「続日本の獅子舞」のため全国の獅子舞を取材中、南紀にも来られていました。
 
全国的に影響を与えた「熱田派獅子神楽」と「伊勢派獅子神楽」
 関東の獅子神楽家元のホームページによると、神楽(かぐら)は古代には「神座(かみくら)」「神遊び」とも言い、神代と云われる肇国の昔「天岩戸」の故事に淵源する日本最古の芸能であり、古来から神社において神を祭る式楽として伝承されてきました。
 この神楽の一流儀として神官が獅子舞を伴い氏子の家々を廻って<御祓(おはらい)>を執行する行事が生まれ、この神事を称して大神楽と言います。

 大神楽(だいかぐら)は伊勢、熱田両宮並びに西ノ宮鎮座の聖地より嚆矢(こうし)を放ち、江戸開府まもなく関東をはじめ全国に伝播しました。
 
江戸太神楽は徳川初期の寛文元年(1661年)伊勢派大神楽出府の記録が初見され、やがて寛文4年(1664年)には熱田派大神楽も出府。延享年間までに両派とも組合を組織しました。
※本記載は、水戸大神楽宗家ホームページから引用し記載
  
■この記事について、いろいろと調べていきますと、非常に説得力のある記載であることが分かります。

 ●全国的に、それぞれ由緒あるいろいろな祭りがあり、それぞれ独自の神事が行われています。松明に火を付けて走る火祭りや、馬を引いて町中を練り歩く祭り、山車を引き町中を廻るものなど種種雑多ですが、共通しているのが獅子舞の存在です。それも大筋で共通した内容の獅子舞が非常に多いと言うことです。

 ●全国にたくさんある祭りの始まった時期や内容、由来は違いますが、その中で舞わされている獅子舞の始まった時期は、多くが今から200年から450年程前の江戸時代であること。

 このようなことから、それぞれの祭りの起こりは違っても、現在ひろく伝えられている多くの獅子神楽(獅子舞)は、どうやら江戸時代のある時期に熱田、伊勢両派から伝えられたり、かなりの影響を与えたと言うことになるのでしょうか。

 
注:それ以前から確立されていた「熱田派獅子神楽」「伊勢派獅子神楽」とは別の「鹿」「猪」「虎」「麒麟」などを頭に付けて舞う獅子舞があることも間違いありません。
 

伊勢大神楽(国の重要無形民俗文化財指定)

伊勢大神楽の起源
 約600年前、今の三重県桑名市太夫町の増田神社とされ、伊勢神宮に参拝できない西日本の人々に伊勢神宮のお札を持って年に一度廻ったのが始まりとされ、「代神楽」から「大神楽」となっていきました。
 村内各戸で竈祓いを行う際に獅子舞を舞うとともに、村内産土神社境内等で、総舞と呼ばれる芸能を披する。概ね曲目に「舞」と付くのが獅子舞、「曲」と付くのが放下芸と呼ばれる曲芸で、曲目の間合いにはチャリと呼ばれる道化師と放下師とが万歳を演じる。
伊勢大神楽
 伊勢大神楽とは、獅子舞をしながら檀那場(だんなば)各戸にかつては伊勢神宮、現在では伊勢大神楽講社の神札を配布してまわる人々のことで、彼らのおこなう芸能の総称でもある。彼らは各戸で竈祓(かまどばら)いを行う際に獅子舞を舞うが、それ以外に特定村落の鎮守社境内などで総舞と呼ばれる芸能を披露する。現在、「伊勢大神楽講社」の六組が、国の重要無形民俗文化財の指定を受けていおり、西日本各地を回檀している。


 ※「伊勢大神楽講社」以外にも、『伊勢大神楽』を名乗って活動する集団がありますが、国から重要無形民俗文化財の指定を受けているのは「伊勢大神楽講社」だけです。
 詳しくは、伊勢太神楽講社ホームページをご覧下さい。 三重県桑名市 増田神社

 
●紀伊半島南部で今でも奉納されている獅子舞は30〜50地区あるのではないかと思います。そして、その多くが「古座の獅子舞を習った。」(現在の東牟婁郡古座町、古座川町付近)と言われており、形態は明らかに「伊勢大神楽の獅子舞と放下芸を取り入れたもの」であり、当時の勢力分布や影響力の強さ、経済文化交流圏などと相まって、何らかの理由で「古座」に伝わった伊勢大神楽が、それぞれの地区に根付き形を変えながら継承されてきたものでしょう。

●紀伊半島中央にそびえる果無山脈から南のさほど広くない地域、現在で言う「南紀熊野地方」に、これほど多くの同じ流れを持つ「獅子舞」が残されているのは、全国的にも珍しいものと思われます。

●紀伊半島南部でも、那智勝浦町川関「飛烏神社」の獅子舞のように、「継獅子」と呼ばれる伊勢大神楽の「魁曲」や「八車舞」、また「七穴の篠笛」を使ったり、伊勢大神楽から直接習ったとしか思えない、南紀では異色の獅子舞の存在もあり、どの時代にどんな理由で伝わったのか興味が湧きます。


●紀伊半島南部の獅子舞分布図を紀伊半島地図上で紹介
 

 紀伊半島南部、各地区の神社と祭り、獅子舞
 
新宮市三輪崎地区「三輪崎八幡神社」例祭と獅子舞 
現在資料等を収集中!
新宮市宇久井地区例祭と獅子舞 
現在資料等を収集中!
 
那智勝浦町市野々地区「王子神社」例祭と獅子舞   那智勝浦町井関地区「青彦神社」例祭と獅子舞  
 
那智勝浦町川関地区「飛烏神社」例祭と獅子舞  
  伊勢太神楽直系
那智勝浦町高芝地区「元、住吉神社」例祭と獅子舞  
 
那智勝浦町下里地区「下里神社」例祭と獅子舞   那智勝浦町下里天満「天神社」例祭と獅子舞  
 
那智勝浦町浦神地区「塩竃六社大明神」の例祭と獅子舞   那智勝浦町南大居地区「諏訪神社」の例祭と獅子舞 
 
太地町「飛鳥神社」例祭と獅子舞
 
串本町古座地区、「古座古座神社」の例祭と獅子舞 
 
串本町古座川町「河内神社」例祭と獅子舞  串本町佐部地区、「剱神社」の例祭と獅子舞  
 
串本町古田地区「地主神社」の例祭と獅子舞   串本町西向地区、「稲荷神社」の例祭と獅子舞  
 
串本町田原地区、「木の葉神社」の例祭と獅子舞   古座川町高池地区「神戸神社」の獅子舞  
 
古座川町三尾川地区、「八幡神社」の例祭と獅子舞   古座川町西川地区の獅子舞    古座川流域最深部
 
串本町大島地区、「水門神社」の例祭と獅子舞   串本町須江、樫野地区「雷公神社」の例祭と獅子舞  
 
串本町串本地区、「潮崎本之宮神社」の例祭と獅子舞   串本町潮岬地区、「潮御崎神社」の例祭と獅子舞  
 
串本町出雲地区、「朝貴神社」の例祭と獅子舞   串本町有田地区、「有田神社」の例祭と獅子舞  
 
串本町田並地区、「天満神社」の獅子舞 
  
串本町和深地区、「八幡神社」の例祭と獅子舞  
 
串本町江田地区の獅子舞 
現在資料等を収集中!
串本町橋杭くじの川地区「富士橋神社」の例祭と獅子舞  
 
田辺市稲成町「稲成神社」例祭と獅子舞   田辺市芳養町「芳養大神社」(旧芳養王子)例大祭と獅子舞 
 
田辺市万呂地区「須佐神社」例祭と獅子舞   田辺市磯間地区「日吉神社」の例祭と獅子舞
現在資料等を収集中!
 
田辺市湊「蟻通神社」例祭と獅子舞
現在資料等を収集中! 
田辺市三栖地区「珠廉神社」の例祭と獅子舞
現在資料等を収集中!
 
田辺市新庄「大潟神社」の例祭と獅子舞
現在資料等を収集中! 
田辺市伏菟野地区「八幡神社」の例祭と獅子舞
現在資料等を収集中!
 
田辺市上野地区「八幡神社」の例祭と獅子舞
現在資料等を収集中! 
田辺市上秋津地区「川上神社」の例祭と獅子舞
現在資料等を収集中! 
 
すさみ町周参見地区「王子神社」の例祭と獅子舞
現在資料等を収集中! 
すさみ町和深川地区「王子神社」の例祭と獅子舞
現在資料等を収集中!
 
すさみ町江住地区「春日神社」の例祭と獅子舞
 
上富田町岡地区「八上神社」の例祭と獅子舞
現在資料等を収集中!
 
上富田町市ノ瀬地区「春日神社」の例祭と獅子舞
現在資料等を収集中! 
日置川町日置地区「日出神社」の例祭と獅子舞
現在資料等を収集中!
 
日置川町大古地区「春日神社」の例祭と獅子舞
現在資料等を収集中! 
日置川町田野井地区「春日神社」の例祭と獅子舞
 
 
日置川町安居地区「三須和神社」の例祭と獅子舞
現在資料等を収集中! 
日置川町市鹿野地区「熊野十二神社」の例祭と獅子舞
現在資料等を収集中! 
 
白浜町堅田地区「八幡神社」例祭と獅子舞   白浜町白浜地区「熊野三所神社」の例祭と獅子舞 
現在資料等を収集中!
 
白浜町湯崎地区「山神社」の例祭と獅子舞 
現在資料等を収集中!
白浜町椿地区「稲荷神社」の例祭と獅子舞 
現在資料等を収集中!
 
中辺路町近露地区「近野神社」の例祭と獅子舞」 
 
大塔村上野地区「春日神社」の例祭と獅子舞」 
 
 
大塔村三川地区「三豊神社」の例祭と獅子舞」 
現在資料等を収集中!
 
※本文中の祭りや獅子舞奉納の日程は取材当時のものであり、年々祝休日に祭りを変更していく地区が多く、詳しくは下記、南紀熊野の祭りイベントカレンダーで確認するか、直接、当該市町村観光協会等へお問い合わせ下さい。
 
 
その他の地区も現在資料等収集中!
 
紀伊半島南部に伝わる祭りや獅子舞奉納、公演、イベントなどの日程を紹介します。貴方の街のお祭りや獅子舞奉納、公演など連絡いただければ掲載いたします。
 


■皆様の伝統民俗芸能を後世へ伝えるために、そしてもっと沢山の方に知って頂くために、獅子舞社中、獅子保存会のホームページを構成、デザイン、製作管理をWebNankiでは、低価格でご提供しています。
※お気軽にお問い合せください。
 IT関連技術提供サービス WebNanki
e-mail info@webnanki.jp 
電話0735-62-6088

 紀伊半島南部の祭と獅子舞に付きましては、「南紀熊野PhotGuide」に高解像度の画像で紹介してあります。 


 この地方の祭りで唄われている囃子唄「高い山」または「鎌倉節」「大婆小婆」と木曽民謡「高い山から」と呼ばれる木曽民謡の謎と、伊勢音頭について
 


※笛吹の謎?

 紀伊半島南部の獅子舞を、噂を頼りに追いかけていく行く内に不思議な現象に気付きました。熱心に各地の獅子舞を見て回られている方が沢山おられる事と、その方々のほとんどが「笛吹」の方々であることです。お名前は伏せますが、田辺市稲荷の笛吹師匠、田辺市芳養の笛吹師匠、古座町古座の笛吹師匠、古座川町高池の笛吹師匠、大島笛吹師匠、串本笛吹師匠・・など、かく言う私も笛吹の端くれであり、私自身なぜこれほどまでに獅子舞を追いかけしまうのか分かりません。
もちろん、舞手や太鼓衆も熱心に回られている方もおられますが、圧倒的に笛吹の数が多いことに驚きます。
  

 別にページを新設しました。

資料収集にご協力いただいた方々(個人名及び敬称略、順不同)
 ●古座町田原獅子舞保存会●古座町西向青年公道会●大島水門祭り関係各位●樫野祭り保存会●須江獅子保存会●有田八幡神社祭り保存会●田辺市芳養大神社松原青年団●南紀州新聞串本支局●上富田町●日置川町●串本町●古座川町●那智勝浦町
参考文献等
 「日本の獅子舞」「紀伊続風土記」「大島小学校百年史」「紀伊大島年代記」「須江小学校百年史」「樫野小学校百年史」「串本百年史、年代表、古代〜中世」「串本百年史、史料編」「水門浦神事、潮崎荘」「西熊野の神々」「潮崎荘」他

著作権について!
 「紀伊半島南部に伝わる獅子舞」の掲載にあたり、一部の出版物、ホームページからの引用をさせていただいており、画像、文章について無断転載をお断りします。
 また、すべてに了承を取っている物ではありませんので、引用させていただいた部分について、問題がある場合はご連絡ください。(削除、変更をさせていただきます。)

お願い!
 現在各地区の祭りの起源由来、獅子舞についての資料を収集中です。祭り、獅子舞などの写真や資料などご提供いただける方がございましたら、ご連絡下さい。
 連絡先:info@webnanki.jp 担当 川崎までE−Mailでお寄せ下さい。
 
 
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